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「Makuake」プロジェクトはこうして生まれる!応援購入ドキュメンタリーvol.1〜キュレーターとの初回ミーティング編〜

日々、約30〜40ものプロジェクトがスタートする「Makuake」。一つひとつのプロジェクトには熱い想いを持って挑戦する実行者と彼らをサポートする「Makuake」スタッフの存在がある。そして、それぞれのドラマがある——。

新たに始める「応援購入ドキュメンタリー」は、プロジェクトの裏側に迫る連載企画。キュレーターとの初回打ち合わせから審査、プロジェクト開始、そして一般販売までの一連の流れを全5回に分けてお届けします。

まずはvol.1。実行者からの問い合わせを受け、プロジェクトの成功を目指して伴走するキュレーターは、どのような戦略を描くのか?『Makuake Magazine』編集部が、初回の打ち合わせに同席させてもらいました!

※当初の予定はvol.5が本連載の最終回でしたが、vol4と5の内容を1本にまとめております

今回の連載企画にご協力いただいたのは、ヒツジのいらないシリーズで「Makuake」サポーターにはお馴染みの株式会社太陽さま。

株式会社太陽 代表取締役社長 川嶋伶氏
株式会社マクアケ キュレーター本部 鈴木楓氏

※「Makuake」では全てのプロジェクトに担当キュレーターがつき、ページ設計やプロモーションプラン策定等を適宜サポートします
※初回の打ち合わせは基本的にオンラインでの実施となりますが、取材のため特別に来社いただいております
※株式会社太陽さまはこれまでに複数回「Makuake」でプロジェクトを実施しているため、「Makuake」の基本情報の説明等一部割愛して打ち合わせを進めております
※本内容は2023年1月時点における株式会社太陽さま向けのサポート内容となります

①新商品についてのヒアリング

鈴木

「まずはいただいた事前情報だけでは読み取ることができない新商品開発のきっかけや独自性を中心に話を伺い、私自身の商品理解を深めます!」

鈴木楓氏(以下、鈴木):お時間いただきありがとうございます。まず初めに、今回「Makuake」をご実施いただく背景について教えてください。

川嶋伶氏(以下、川嶋):これまで世の中になかった新商品を多くのお客様に届けるために、新商品だけが集まるプラットフォームである「Makuake」さんでチャレンジできればと思いました。テストマーケティングにもなりますし、お客様のお声をダイレクトにいただけるところが非常にありがたいです。

鈴木:ヒツジのいらないシリーズのプロジェクトは、過去にも「Makuake」でご実施いただきましたが、具体的にどんなお声がありましたか?

川嶋:シリーズ自体にご興味を持っていただいている方が非常に多くいらっしゃる印象です。ご自身での使用用途から始まり、次にご家族用を購入される方が多い。大変ありがたいことに、寝具がすべてヒツジのいらないシリーズという方も結構いらっしゃいますね。

鈴木:「Makuake」実施後の商品は自社HPやAmazonさん、楽天市場さん等で一般販売をされていますが、それらと違う「Makuake」の魅力は感じていただけていますか?

川嶋:もっとも感じる違いはお客様との距離がすごく近いという点です。新商品を出す際は、本当にお客様の役に立てるのか?と不安がある中、「すごく良かったです!」という感想を直接いただけるのは励みになります。同時に、厳しいご意見もいただけるのもありがたいこと。それらを元に改良を加え、また新しい商品を作る。他のECサイトとは違ってお客様と繋がりを持てることがすごくありがたいです。

鈴木:なるほど。今回の「ヒツジのいらない枕-マジックドーム-」を開発した背景は?

川嶋:枕やマットレス、掛け布団等、同シリーズで展開してきた商品は主に寝室で使用するため、リビングには出ない商品でした。寝具でお客様の明日を支えるというところに重きを置いてきたのですが、もっと表に出せる商品が作れないかなと思ったんです。寝室には家族以外はなかなか入りづらい。リビングにあるのを見て、「これ、何なの?」と会話が生まれたりする楽しさを感じてほしいなと。

鈴木:確かに、クッションみたいなのでリビングに置きます。寝る時だけでなく、一日を通して生活に寄り添う存在になりたいというイメージですか?

川嶋:まさにそうです。日中の活動のパフォーマンスをグッと上げてくれるような、そんな存在でありたいと考えています。

②ターゲット・訴求内容のすり合わせ

鈴木

「ターゲットによって訴求内容が変わるため、プロジェクトページ制作上もっとも重要な部分です。定めるターゲットが感じるベネフィットや実行者さまならではのストーリーをしっかりとページで表現できるよう認識をすり合わせていきます」

鈴木:これまで、同シリーズの商品を応援購入していただいているメインの層は40〜50代のサラリーマンの方ですよね。そういった忙しいサラリーマンの方が手軽に休憩するためにこのマジックドームを使う。昼寝はもちろん、仕事中もそばにおいて癒しを得られる。そういった訴求ができると良いと感じています。

川嶋:そうですよね。昼寝だけに特化せず、気づいていたら触っていたみたいな。逆に近くにないと落ち着かない!くらいに思っていただける商品になりたいです。

鈴木:競合でいうと他にもリラックスクッションは数多くある中、今回の商品ならではの強みは?

川嶋:なんといっても、このぷにょんぽにょんの柔らかい肌触り。そして、圧力を分散してくれるドームのような形状です。活性炭を塗り込んでおり、消臭機能も持たせています。

鈴木:実物を拝見すると、重量感もいいですよね!

川嶋:適度な重量が安心感を与えると考えています。布団やブランケットもそう。軽すぎるものより、多少重量があったほうがリラックスできるはず。

鈴木:応援購入してほしいターゲットはどのように考えていますか?

川嶋:とにかく、仕事をする中で活躍してくれる商品になると嬉しいです。在宅ワークでも、オフィスワークでも、昼食後にちょっと休憩しようかなというその15分の間にこれを使ってリラックスしてもらいたいなと。

鈴木:プロジェクトページで大事になるのが、「独自性」「便益」「必然性」の3点です。それぞれ、この商品ならではの機能、特徴。ターゲットがこれを使った時にどういうメリットがあるのかという体験価値。そして、この商品が生まれた御社ならではの開発ストーリーを指します。3点がかけ合わさるとものすごく魅力的なプロジェクトページになるんです。

これに沿って整理すると、新商品の独自性は素材、形状、安心感のある重量。便益は忙しいサラリーマンが日常の中で意識的に休息の時間を取らなくても、隙間時間が最高の癒しの時間に変わること。そして、必然性は累計5億円以上の売上で8万人以上の睡眠をサポートしている寝具メーカーが、仕事場やリビングでもリラックスタイムを提供したいと思って開発した点。これらを掛け合わせたプロジェクトページを制作できれば、きっと多くの人が心を動かされるのではないでしょうか。

川嶋:なるほど、ありがとうございます。プラスアルファとして、映画鑑賞等仕事以外のリラックスタイムでも使えることの訴求ができればいいなと感じました。

鈴木:確かに要素としてはぜひ入れていただければと思います。プロジェクトページには具体的な使用シーンがイメージできる写真もお願いしますね。

川嶋:はい。序盤に仕事中や昼寝、映画鑑賞時等に活躍することがわかる写真を入れる予定です。

鈴木:リターンの設計についてですが、御社はもうご存知かと思いますが、「Makuake」では割引率の異なるリターンを複数用意していただくのが一般的です。事前に、早くからプロジェクトを楽しみに待っていただいていた方に特別感を感じてもらい、少しお得に応援購入していただきたいというのがその意図です。

川嶋:はい、そうですよね。

鈴木:今回、もっとも割引率の高いものでいくらくらいになりそうですか?

川嶋:まだ調整中ではありますが、定価の◯◯%オフ程度のリターンからご用意する予定です。

鈴木:ありがとうございます。カラーバリエーションはありますか?

川嶋:2色です。

鈴木:でしたら、2色それぞれに4段階くらいの割引率でリターンをご用意いただくのが良いかと思います。2個セットのペア割等もあると良いかもしれませんね」

川嶋:ありがとうございます。考えてみますね。

③目標のすり合わせ

鈴木

「実行者さまによって目標は三者三様。費用をかけてでも応援購入金額を伸ばしたい!という方もいれば、PRやテストマーケティングができれば良いという方もいます。目標によって打つべきアクションが変わりますし、プロジェクト終了後に納得感のある評価、振り返りを行うためにも欠かせません」

鈴木:目標について、まずは定性的なものから聞かせていただけますか?

川嶋:先ほどもお話しましたが、これまでのヒツジのいらないシリーズは寝室で使う商品ばかりでした。今回のプロジェクトを通して、もっと多くの人に弊社の商品を届けたい。そして、「その服かわいいね!」みたいな日常的なシーンでも登場するブランドになりたいです。

鈴木:すごく素敵ですね。その辺りのお気持ちについてもぜひプロジェクトページに盛り込んでいただければと思います。次に定量的な目標について。目標金額は◯◯万円以上と事前に教えていただいておりましたね。

川嶋:はい。そこが達成できれば、寝具だけでないというイメージも植え付けられるのではないかと思いまして。

鈴木:なるほど。ここで、とあるデータをお見せしますね。スタートダッシュシミュレーションシートといいまして、過去のプロジェクトで最終的に集まった応援金額と初日に集まった応援金額の関係性を可視化するツールを自社で開発したばかりなんです。

川嶋:へえ〜!このようなツールを開発されたんですね!

鈴木:はい!最終的に◯◯万円の応援購入を集めたプロジェクト、かつ今回のマジックドームと同程度の価格のものを表示したのがこちらです。これによると、初日の応援購入金額の平均が約△△万円で、開始1時間以内に××万円を集めています。

川嶋:なるほど。この数字を一つの目安にするんですね。

鈴木:そうです。この数字を達成できるよう、事前告知をしていきましょう。御社でこういった告知をしようと考えているものはありますか?

川嶋:過去のプロジェクトで応援購入をしていただいたサポーターの方には活動レポートで告知をします。加えて、LINEやメルマガでも発信します。

鈴木:ありがとうございます。あとはSNSでの発信や、現在商品を購入してくださっている方へのチラシの封入等も良いかと思います。

川嶋:確かにそうですね。

鈴木:いつも実施していただいていることを確実にやっていただければ、十分に目指せる目標だと思います。一緒に頑張っていきましょう!

川嶋:はい!頑張ります!

④今後の流れの説明

鈴木

「打ち合わせ後から公開までには、第一入稿、実現性審査、第一入稿へのフィードバック、最終入稿、表記審査といくつかのプロセスがあります。公開希望日は実行者さまによってさまざま。それぞれに合わせた入稿期限を設定し、マネージメントしていきます」

鈴木:最後に今後の流れの説明および必要書類のご案内をさせていただきます。取引先審査では御社の履歴事項全部証明書と印鑑証明書が必要になります。実現性審査ではプロジェクトページの第一入稿に加え、申込書と同意書、製造委託先からのお見積書をご提出いただき、設定されているリターンの実現性等を審査させていただきます。

あわせて、第一入稿に対してタイトルや構成等のアドバイスや、本日お話した事前告知の状況も確認させていただきます。実現性審査通過後は、フィードバックした内容を反映していただいた最終入稿をいただき、表記審査へ。各種法令に準拠した当社品質基準に適合しているか等を確認させていただきます。ご希望の2月10日スタートに沿ったそれぞれの締切はこのあとメールでお送りさせていただきますね。

川嶋:はい、よろしくお願いします。本日はありがとうございました!

鈴木:こちらこそ、ありがとうございました!

次回vol.2では、審査およびプロジェクトページのフィードバックの様子をお届けします!(2月8日ごろ公開予定)

※撮影時のみマスクを外しております